連結法人へ寄附金を支出した場合の事業税所得割への影響 | 川口拓哉税理士事務所

連結法人へ寄附金を支出した場合の事業税所得割への影響

問題の所在

完全支配関係のある法人間で寄附金の授受がされた場合、寄附金を受けた法人の受贈益は益金不算入(法人税法25条の2)となり、寄附金を支払った法人の寄附金の額は損金不算入(法人税法37条2項)となります。これらの規定はグループ法人税制によるものであるため、事業税所得割の計算において除外されるのか?という点が気になり、条文を調べてみました(なお、タイトルが「連結法人」となっているのは文字数と分かりやすさの都合です)。

条文(地方税法72条の23)

まず、1項の条文は次のとおりです(外国法人の場合(3号)は省略します)。

第七十二条の十二第三号の各事業年度の所得は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより算定するものとする。
一 連結申告法人以外の内国法人 各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額によるものとし、この法律又は政令で特別の定めをする場合を除くほか、当該各事業年度の法人税の課税標準である所得の計算の例により算定する。
二 連結申告法人 各事業年度終了の日の属する各連結事業年度の個別帰属益金額から個別帰属損金額を控除した金額によるものとし、この法律又は政令で特別の定めをする場合を除くほか、当該各連結事業年度の法人税の課税標準である連結所得に係る当該連結申告法人の個別所得金額の計算の例により算定する。

ところで、地方税法72条の23第1項にいう「第七十二条の十二第三号の各事業年度の所得」について、条文は次のとおりです。

法人の行う事業に対する事業税の課税標準は、次の各号に掲げる事業税の区分に応じ、当該各号に定めるものによる。
一 付加価値割 各事業年度の付加価値額
二 資本割 各事業年度の資本金等の額
三 所得割 各事業年度の所得
四 収入割 各事業年度の収入金額

要するに、事業税の所得割の課税標準は、地方税法に「特別の定め」がない限り、法人税法における所得金額と同じということです。

地方税法の「特別の定め」

地方税法の「特別の定め」は、地方税法72条の23第2項にあります。

前項の規定により第七十二条の十二第三号の各事業年度の所得を算定する場合には、法人税法第五十七条第八項及び第九項、第五十七条の二第四項、第五十八条第四項、第六十二条の五第五項、第八十一条の九並びに第八十一条の十並びに租税特別措置法第五十五条(同条第一項及び第九項に規定する特定株式等で政令で定めるものに係る部分を除く。)及び第六十八条の四十三(同条第一項及び第八項に規定する特定株式等で政令で定めるものに係る部分を除く。)の規定の例によらないものとし(後略)

つまるところ、法人税法における所得から、法人税法・措置法のうち一部の規定による益金・損金を除外するとしています。そして、これらの中に、法人税法25条の2及び法人税法37条2項は見当たりません。

結論

以上より、事業税所得割の計算においては、法人税法25条の2及び法人税法37条2項の適用後の所得をそのまま適用すればよいことになります。