税務の世界へようこそ
このカテゴリーでは、初めて税務担当になった方に向けて、ひとまず1年を乗り切るためのコツや知識を紹介します。
想定する読者層
事業会社に新卒入社して、1年目から経理を担当。3年目に税務部へ異動。経理の知識は一通りある(簿記二級レベル)が、税務の知識はほとんどない。税務部へ異動することになったので、「勉強しないと」と思い法人税法の入門書を購入したはいいものの、内容が頭に入ってこずに積読中。
税務1年目の目標
ここでは、税務1年目の目標として次を掲げます。これがクリアできれば、大抵の会社では及第点と評価されると思います。
- 税務の専門用語がわかる
- 社内から受けた相談内容を先輩に説明できる
- 税務調査対応の基本がわかる
- 法人税、消費税、印紙税の基本がわかる
税務の専門用語がわかる
会社税務の世界には多くの専門用語があります。打ち合わせで上司や先輩の話す専門用語を理解できないと、打ち合わせについていけないだけではなく、「自分は税務担当としてやっていけるだろうか・・・」と不安になります(私もそうでした)。
「打ち合わせでわからない用語が出てきたときは遠慮せず質問しましょう」とよく言われますが、「何も知らない人だと思われたくない」という思いから、その場ではなかなか質問できない人が多いのではないでしょうか(私もそうでした)。
そこで、別記事において、税務の専門用語について簡単に説明します。「益金」や「損金」といった超基本用語の説明や、特別償却と特別控除の違いなどの説明を行う予定です。
社内から受けた相談内容を先輩に説明できる
税務担当となったあなたの元には、営業、総務、経理などから税務上の取り扱いに関する質問が来るようになります。その質問に1年目から完璧に答えるのは無理です(それをやろうとすると潰れます)。1年目としてやるべきなのは、「誰から」「どんなことを」質問されて、それを「いつまでに回答するよう」依頼されているかを先輩に伝えることです。
たとえば、総務から、「〇〇大学への寄附金を支払うのですが、これって問題ないですか?」と質問されたとします。ここで、最低限やることは、「〇〇大学への寄附金を支払うのですが、これって問題ないですか?という質問が総務から来てます。回答は×日までと言われています」と先輩に伝えることです。「〇〇大学へ」の箇所を自己判断で端折ってはダメです。
「そのまま伝える」ことができるようになったら、次は検討に必要な情報を質問者から収集できるようになりましょう。上の例だと、「寄附金依頼書(寄附金募集要項)のコピーをもらえますか?」という質問ができると、税務上の取り扱いを検討する上で大いに役立ちます。
税務調査対応の基本がわかる
税務担当者にとって、税務調査対応は主要な業務の一つです。税務調査は税金を取りたい側vs取られたくない側の真剣勝負なので、不用意な発言をしたり、不適切な調査対応をすると、社内で(割とマジなトーンで)怒られます。
そこで、別記事において、税務調査対応の基本を説明して、あなたが上司や先輩から怒られることを未然に防ぎます。
法人税、消費税、印紙税の基本がわかる
基本的な知識がない状態で、いわゆる「教科書」を読み始めても、大抵の方は挫折すると思います。そこで、別記事において、実務でよく使う法人税、消費税、印紙税の基本の基本を紹介します。この基本の基本が分かれば、「教科書」も少しは読みやすくなるはずです。