法人事業税と外形標準課税 | kandtax

法人事業税と外形標準課税

法人事業税って何?

法人事業税とは、事業税のうち法人に課せられるものです(個人に課せられる事業税を個人事業税といいます)。法人事業税は都道府県が課します。他に都道府県が法人に課す税に法人都道府県民税がありますが、法人事業税とは法人税法上の取り扱いや貸借対照表上の表示が異なります。

法人事業税額の計算は?

法人事業税額の計算方法は、外形標準課税対象法人でない法人と外形標準課税対象法人とで異なります。まずは、外形標準課税対象法人でない法人の計算方法から紹介します。

【外形標準課税対象法人でない法人】
法人事業税額=所得割額
所得割額=課税標準×税率

シンプルですね。外形標準課税対象法人でない法人は、「課税標準」がマイナスの場合、法人事業税は課されません。

次に外形標準課税対象法人の計算方法を紹介します。

【外形標準課税対象法人】
法人事業税額=所得割額+付加価値割額+資本割額
所得割額=課税標準×税率
付加価値割額=(収益配分額+単年度損益ー雇用安定控除)×税率
資本割額=資本金等の額×税率

外形標準課税対象でない法人に比べてかなり複雑ですね。外形標準課税対象法人の場合、「課税標準」がマイナスであれば所得割額は0円ですが、資本割額が必ずプラスの値となり、また付加価値割額も単年度損益がかなりの赤字でない限りはプラスの値となることが多いので、結果として「課税標準」がマイナスであっても法人事業税が課されます。

外形標準課税対象法人の方が損なの?

外形標準課税対象法人は3種類(所得割、付加価値割、資本割)が課されるのに比べて、外形標準課税対象法人でない法人は1種類(所得割)が課されるだけです。では、外形標準課税対象法人の方が損なの?というと、一概にそうも言えません。一概にそうも言えないのは、外形標準課税対象法人と外形標準課税対象法人でない法人とで所得割の税率が違うためです。たとえば兵庫県の場合、それぞれの税率は次のとおりとなっています(両方とも年800万円以上の所得に対するもの)。

外形標準課税対象法人・・・1.0%
外形標準課税対象法人でない法人・・・7.0%

多額の「課税標準」が出た場合は、外形標準課税対象法人の場合の方が法人事業税額が少ない・・・というケースもよくあります。

外形標準課税対象法人って?

そもそも、「外形標準課税対象法人」とはどういう法人をいうのでしょうか。地方税法によれば、期末の資本金または出資金の額が1億円超の法人を外形標準課税対象法人といいます。外形標準課税対象法人となるか否かは法人の選択ではなく、期末の資本金・出資金の金額で決まります。

ところで、ここでいう「資本金」は、法人税でいう「資本金等の額」とは異なるので注意が必要です。

法人事業税の法人税法上の取り扱い

法人税法上、法人事業税は損金の額に算入されます。法人住民税が損金算入されないのと対照的ですね。法人事業税が損金算入される理由は、法人事業税の性格が「利益への課税」ではなく、「事業活動を行うのに必要な行政サービスの対価徴収」であるためです。

法人事業税の貸借対照表上表示

貸借対照表(PL)において、法人事業税は次の科目で表示されます。

資本割及び付加価値割・・・販売費及び一般管理費
所得割・・・法人税、住民税及び事業税

一つの税目でPL表示が異なるのは面白いですね。

なお、法人事業税のPL表示は、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」に規定されています。

参考 企業会計基準第27号企業会計基準委員会