確定申告のトリガー
そもそも、法人税法上の確定申告は、「各事業年度の翌日から二月以内」に行うものと規定されています(法人税法74条)。よって、「期中で会社分割をした場合に確定申告が必要か」という問いは、すなわち「期中で会社分割をした場合、みなし事業年度の規定の適用があるか」という問いに置き換えることができます。
(法人税法74条)
内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
事業年度とは
事業年度の意義は法人税法13条に規定されています。法令・定款等に会計期間の定めがあればその期間(1年を超える場合は1年)、なければ会計期間の定めを税務署長に届け出ます。
(法人税法13条)
この法律において「事業年度」とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(以下この章において「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるものをいい、法令又は定款等に会計期間の定めがない場合には、次項の規定により納税地の所轄税務署長に届け出た会計期間又は第三項の規定により納税地の所轄税務署長が指定した会計期間若しくは第四項に規定する期間をいう。ただし、これらの期間が一年を超える場合は、当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)をいう。
この法律において「事業年度」とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(以下この章において「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるものをいい、法令又は定款等に会計期間の定めがない場合には、次項の規定により納税地の所轄税務署長に届け出た会計期間又は第三項の規定により納税地の所轄税務署長が指定した会計期間若しくは第四項に規定する期間をいう。ただし、これらの期間が一年を超える場合は、当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)をいう。
みなし事業年度とは
事業年度の原則は法13条のとおりですが、特別な事由が生じたときは、法13条に定める事業年度ではなく、法14条に定める事業年度が適用されます(これを「みなし事業年度」といいます)。
みなし事業年度の規定が適用されるのは次の場合です(主なもの)。この中に、会社分割の場合は規定されていません。
- 1号:内国法人が事業年度の中途で解散した場合(合併による解散を除く)
- 2号:法人が事業年度の中途で合併により解散した場合
- 5号:連結納税グループに加入した場合(新設のグループ)
- 6号:連結納税グループに加入した場合(既存のグループ)
- 8号:連結納税グループから離脱した場合
- 17号:連結納税の承認が取り消された場合
結論
期中で会社分割をした場合であっても、分割法人、分割承継法人とも、期中での確定申告は不要であると考えます。